子供8人も生んだのに、最期は悲哀…
【ご利用者様】88歳くらい 女性 首から下が麻痺
【家族構成】ご主人様に先立たれる 子供8人
約20年前のことです。
私はこの業界に入ったばかりでした。
今でも印象に深く残っているご利用者さまについてお話します。
そのご利用者さま宅へは1週間に1回、訪問入浴に伺っていました。
2階建て一軒家の、一階の暗い部屋で
お一人で住んでました。
長男夫婦は、となりの2階建て一軒家に住んでいるのに、
入浴時に一度も姿を見せたことがなく
同席しているのは
嫁ぎ先からわざわざ来る、末娘のみ。
しかも長男夫婦とご利用者さまの家は隣接していて、
家と家との距離1mもない。
ほんの一足、二足。
そんなにも近いのに、長男はおろか
お嫁さんまで姿をみせない。
ご利用者さま、首から下は麻痺。
少し手を動かせる程度。
でも、頭はしっかりしている
・・・それが、悲しい。
自分の歯がゆさを自覚されているし
現実もちゃんと見える。
最初にご利用者さまのお世話をした時
腰に褥瘡(床ずれ)があったが、まだそんなに深くはなかった。
ただ、日に日に大きく深くなっていった。
そして、日に日にやせ細っていった。
その状態になるのが早すぎる・・・と感じました。
褥瘡がある場合、介護は除圧・スキンケア・
栄養のかたよりを調整することが大切です。
褥瘡ができやすい部位に持続的に圧力がかからないよう
体の向きを右へ左へと変えたり、清潔にし、保湿。
そして、栄養のある食事をしなければならない。
それなのに・・・・・
あまり面倒を見られていない。
粗末にされているな・・・
・・・そう、感じたんです。
「お前が余分に財産もらったんだから、お前が面倒みろ!」
長男から言われた、と末娘が愚痴っていました。
まあ、その家族間のことはよく分かりませんが
そのご利用者さまが大切にされていない雰囲気は
どことなく漂ってきていました。
皮膚感覚で感じました。
一階で寝ているその部屋は「G」だらけで暗く陰湿。
実際お世話している時の会話から
少しだけ垣間見えることとか、
表現上の言葉には出てこないものから感じた事でした。
ある日のご利用さま。
慌ててご飯を食べさせたのか
口のまわりにご飯粒がはりついたまま
だらしない雰囲気のまま・・・だとか・・・
入浴時、私たちスタッフに向けて
「ご親切に。どうもご親切に、
ありがとうございます、
本当にありがとうございます。」
毎回、何回も、何回も
念仏を唱えるように繰り返す。
私たちに異常なほど感謝しているのです。
仕事でお金をいただいているのだから、
そんなに大げさな感謝をされる いわれは無い。
特別なサービスをしていた訳ではないのですから・・・
ただ、
「痛いところありませんか〜〜?」
「さあ、おからだ、奇麗になりましょうね〜〜」
という、優しい言葉の投げかけや
一般的な世間話をしながら、お世話しているだけ。
その言葉掛けに反応して
何度も感謝の言葉を伝えているのです。
それを聞いてる末娘は、無表情で知らんふり。
その空気感で感じたこと。
「ああ、大切にされていなんだな・・・」
「食事は与えられているけど、粗末にされているんだな・・・」
そのご利用者さま、頭がしっかりしている分
自分がどういう風に扱われるいるかという現状がわかる。
もしかしたら私たちに向けた感謝の言葉も
娘に向けた、何かのサインだったのかもしれません。
ある日、訪問入浴で訪ねて行く。
そのご利用者さま宅は、昼間は鍵を掛けない家
だったので私たちはいつも通り
「こんにちは〜 訪問入浴に伺いました〜」
と、勝手に家の中に入ってみると家に誰もいない。
ベッドにご利用者さまもいない。
末娘もいない。
私たちは、きっと容態が急変して
急に入院されたんだな・・・と思いました。
ベッドが空でしたので・・・
普通、入院すれば会社に連絡が入るので
念のために隣の息子宅に確認をとろうと外にでてみると・・・・
窓の下の、暗く細い路地に
ご利用さまが落ちているのを発見しました。
ご利用者、路地に落ちたそのままの姿勢で
目を見開いたままじっとしていました。
その日は、前日雨が降っていたので
路面が濡れていて着る物も濡れていました。
「なんてこと!!」
慌ててスタッフで引き上げて、容態を確認しました。
どこを打っているのかわからないから・・・・
それからすぐ末娘も来ました。
その日は大事をとって
体を拭いただけで入浴は止めました。
どうして、落ちたんだろう?体、動かないのに・・・・
おかしな出来事です。
想像ですが・・・
褥瘡(床ずれ)があるので
きっと、ご利用者さまは自分で不自由な体を動かしたのでは?
首から下が麻痺といっても手だけは何とか動かせたので・・・
ベッドは窓に添ってたので
一生懸命体をズラしていていたら
バランスをくずして、窓の下に落ちてしまった・・・
そんなことを想像していると
悲しくて胸が痛くなりました。
なんで、8人も子供がいて
そんなことに、なるのか・・・・・と
路地に落下の出来事があった後
しばらくして入院され、それっきり連絡がありませんでした。
そして、亡くなられたと聞きました。
私の想像です。
子供達は自分たちの生活ばかりに気を取られて
親の苦しみに、気づかなかっただけ・・・だ・・と
約20年前は今より介護の情報が少なかったからだ・・・と
20数年前に導入された介護保険。
当時は、まだ一般に認識されていなかったのか
その家庭では、入浴のみ業者を頼んで、その他は
自分たち!で家で介護するという形を
とっていたようです。
今なら信じられないことです!
現在はケア・マネージャーがいて、ヘルパー、訪問看護師もいる。
ご利用者さまの情報を得て、褥瘡ができていて悪化しているようなら
ドクターに連絡。そして処置または入院・・・
という流れがあります。
褥瘡があって、首から下麻痺で
意識がはっきりして痛みも感じる人を食事以外、
ほっといておくなんて・・・・
自宅で看ても褥瘡があれば、2時間おきくらいに
除圧(体を移動させる)しなければならない。
ただ、知らなかっただけ。
そうじゃなきゃ、そうじゃなきゃ・・・
悲しすぎます。
最期が・・・・・
今でもその一軒家の前を通るたびに
その方の事、思い浮かべます。
子供を8人も生み、立派に育てたのに、
最期はまともに面倒も見てくれない・・・・
ご本人は、どんな気持ちだったのだろう・・・・
この暗く古い一軒家、
当時は明るく楽しい家庭だったろうに・・・・と
【家族構成】ご主人様に先立たれる 子供8人
約20年前のことです。
私はこの業界に入ったばかりでした。
今でも印象に深く残っているご利用者さまについてお話します。
そのご利用者さま宅へは1週間に1回、訪問入浴に伺っていました。
2階建て一軒家の、一階の暗い部屋で
お一人で住んでました。
長男夫婦は、となりの2階建て一軒家に住んでいるのに、
入浴時に一度も姿を見せたことがなく
同席しているのは
嫁ぎ先からわざわざ来る、末娘のみ。
しかも長男夫婦とご利用者さまの家は隣接していて、
家と家との距離1mもない。
ほんの一足、二足。
そんなにも近いのに、長男はおろか
お嫁さんまで姿をみせない。
ご利用者さま、首から下は麻痺。
少し手を動かせる程度。
でも、頭はしっかりしている
・・・それが、悲しい。
自分の歯がゆさを自覚されているし
現実もちゃんと見える。
最初にご利用者さまのお世話をした時
腰に褥瘡(床ずれ)があったが、まだそんなに深くはなかった。
ただ、日に日に大きく深くなっていった。
そして、日に日にやせ細っていった。
その状態になるのが早すぎる・・・と感じました。
褥瘡がある場合、介護は除圧・スキンケア・
栄養のかたよりを調整することが大切です。
褥瘡ができやすい部位に持続的に圧力がかからないよう
体の向きを右へ左へと変えたり、清潔にし、保湿。
そして、栄養のある食事をしなければならない。
それなのに・・・・・
あまり面倒を見られていない。
粗末にされているな・・・
・・・そう、感じたんです。
「お前が余分に財産もらったんだから、お前が面倒みろ!」
長男から言われた、と末娘が愚痴っていました。
まあ、その家族間のことはよく分かりませんが
そのご利用者さまが大切にされていない雰囲気は
どことなく漂ってきていました。
皮膚感覚で感じました。
一階で寝ているその部屋は「G」だらけで暗く陰湿。
実際お世話している時の会話から
少しだけ垣間見えることとか、
表現上の言葉には出てこないものから感じた事でした。
ある日のご利用さま。
慌ててご飯を食べさせたのか
口のまわりにご飯粒がはりついたまま
だらしない雰囲気のまま・・・だとか・・・
入浴時、私たちスタッフに向けて
「ご親切に。どうもご親切に、
ありがとうございます、
本当にありがとうございます。」
毎回、何回も、何回も
念仏を唱えるように繰り返す。
私たちに異常なほど感謝しているのです。
仕事でお金をいただいているのだから、
そんなに大げさな感謝をされる いわれは無い。
特別なサービスをしていた訳ではないのですから・・・
ただ、
「痛いところありませんか〜〜?」
「さあ、おからだ、奇麗になりましょうね〜〜」
という、優しい言葉の投げかけや
一般的な世間話をしながら、お世話しているだけ。
その言葉掛けに反応して
何度も感謝の言葉を伝えているのです。
それを聞いてる末娘は、無表情で知らんふり。
その空気感で感じたこと。
「ああ、大切にされていなんだな・・・」
「食事は与えられているけど、粗末にされているんだな・・・」
そのご利用者さま、頭がしっかりしている分
自分がどういう風に扱われるいるかという現状がわかる。
もしかしたら私たちに向けた感謝の言葉も
娘に向けた、何かのサインだったのかもしれません。
ある日、訪問入浴で訪ねて行く。
そのご利用者さま宅は、昼間は鍵を掛けない家
だったので私たちはいつも通り
「こんにちは〜 訪問入浴に伺いました〜」
と、勝手に家の中に入ってみると家に誰もいない。
ベッドにご利用者さまもいない。
末娘もいない。
私たちは、きっと容態が急変して
急に入院されたんだな・・・と思いました。
ベッドが空でしたので・・・
普通、入院すれば会社に連絡が入るので
念のために隣の息子宅に確認をとろうと外にでてみると・・・・
窓の下の、暗く細い路地に
ご利用さまが落ちているのを発見しました。
ご利用者、路地に落ちたそのままの姿勢で
目を見開いたままじっとしていました。
その日は、前日雨が降っていたので
路面が濡れていて着る物も濡れていました。
「なんてこと!!」
慌ててスタッフで引き上げて、容態を確認しました。
どこを打っているのかわからないから・・・・
それからすぐ末娘も来ました。
その日は大事をとって
体を拭いただけで入浴は止めました。
どうして、落ちたんだろう?体、動かないのに・・・・
おかしな出来事です。
想像ですが・・・
褥瘡(床ずれ)があるので
きっと、ご利用者さまは自分で不自由な体を動かしたのでは?
首から下が麻痺といっても手だけは何とか動かせたので・・・
ベッドは窓に添ってたので
一生懸命体をズラしていていたら
バランスをくずして、窓の下に落ちてしまった・・・
そんなことを想像していると
悲しくて胸が痛くなりました。
なんで、8人も子供がいて
そんなことに、なるのか・・・・・と
路地に落下の出来事があった後
しばらくして入院され、それっきり連絡がありませんでした。
そして、亡くなられたと聞きました。
私の想像です。
子供達は自分たちの生活ばかりに気を取られて
親の苦しみに、気づかなかっただけ・・・だ・・と
約20年前は今より介護の情報が少なかったからだ・・・と
20数年前に導入された介護保険。
当時は、まだ一般に認識されていなかったのか
その家庭では、入浴のみ業者を頼んで、その他は
自分たち!で家で介護するという形を
とっていたようです。
今なら信じられないことです!
現在はケア・マネージャーがいて、ヘルパー、訪問看護師もいる。
ご利用者さまの情報を得て、褥瘡ができていて悪化しているようなら
ドクターに連絡。そして処置または入院・・・
という流れがあります。
褥瘡があって、首から下麻痺で
意識がはっきりして痛みも感じる人を食事以外、
ほっといておくなんて・・・・
自宅で看ても褥瘡があれば、2時間おきくらいに
除圧(体を移動させる)しなければならない。
ただ、知らなかっただけ。
そうじゃなきゃ、そうじゃなきゃ・・・
悲しすぎます。
最期が・・・・・
今でもその一軒家の前を通るたびに
その方の事、思い浮かべます。
子供を8人も生み、立派に育てたのに、
最期はまともに面倒も見てくれない・・・・
ご本人は、どんな気持ちだったのだろう・・・・
この暗く古い一軒家、
当時は明るく楽しい家庭だったろうに・・・・と